ドイツから本帰国が決まったら

前回の投稿では賃貸契約の解約と住民登録の解除についてお話しました。

解約するべきものはまだまだありますよ!一番厄介なものから始めましょう。

それはインターネットと携帯電話の解約です。

厄介なインターネット、携帯電話の解約

インターネットはO2やテレコムなどいろいろな会社がありますが、手順はどこも大体同じです。

どの会社も契約期間が1年や2年となっていることと思います。契約を解除したい、もしくは他の会社に乗り換えたい場合は、契約満了のタイミングでしかできません。ドイツ国内で引っ越す場合は、新しい家にインターネットや固定電話の回線を引っ越すことになります。ドイツから日本へ完全帰国の場合は、ちょうどいいタイミングで帰国になるかはわかりませんので、もしかしたら2年契約を更新したばかりということもあるかもしれませんね。

そんな時は前回お話した住民登録の解除+日本の転入届で契約途中であっても強制的に解約できるんです。このルールは携帯電話の契約でも同じです。

インターネットや携帯電話の解約方法は以下の通り

三か月前に解約前通知を書面やオンラインで行う

ドイツの住民登録解除の証明をもらう

日本で転入届をする(何か証明になるものを必ずもらって下さい)

インターネットや携帯電話会社に本解約届を送る(その際ドイツの住民登録解除の証明と日本の転入届の証明のコピーを一緒に送ってください。

3か月後にインターネット、携帯電話が解約される

という流れです。

それでも、解約の確認書に1年後の契約終了の期日で解約すると書かれていることがあります。わざとなのかうっかりなのかはわかりませんが、それはあちらのミスですので必ず訂正しましょう。日本人はことなかれ主義なので、まあ、しょうがない1年後には解約されるなら、、と払い続ける人がいますが、ここはドイツ!不当なことにはしっかり反論しましょう。その際この呪文がききますよ。

Telekommunikationsgesetz (TKG) § 46 Abs. (8)(テレコミュニカツィオンスゲゼッツ パラグラフ46アップザッツ8と発音します)

なんだこれ?って感じですが、これはテレコミュニケーション法46セクション8項という意味です。

Wird die Leistung am neuen Wohnsitz nicht angeboten, ist der Verbraucher zur Kündigung des Vertrages unter Einhaltung einer Kündigungsfrist von drei Monaten zum Ende des Kalendermonats berechtigt.“

サービスが新しい居住地で提供されない場合、消費者は3か月前の通知で月末までに契約を終了することができます。

という法律文書です。

この文を再度書面で送りましょう。法律で決められているんだから、3か月後には解約する義務がありますよ!という意味です。

インターネットや携帯電話の解約は毎回戦いです。すんなり解約できることはあまりありませんが、めげずに手紙を送ったりカスタマーセンターに電話したりしているといつかは解約されます。やれやれ。

山場はインターネット、携帯電話の解約ですが他の解約も忘れてはいけません。

まだまだあるよ、解約するもの

まだまだ安心してはいけません。解約する可能性のあるものはこんな感じでしょうか。

-健康保険

同じく住民登録の解除があれば解約できます。ケアコンセプトはオンラインで解約可能です。

-ガス、電気

解約届に退去時のメーターを読み取っておいてください。その数字と外国に引っ越すためガスや電気のサービスを停止する旨手紙を書けばOKです。

-公共電波料金(GEZ)

ARDやZDFといったテレビ、ラジオの視聴料を払っていたと思います。こちらも解除する必要がありますので、お忘れなく!オンラインで解除可能です。こちらからどうぞ。

-スポーツジムなど

契約書の種類によって解約期限が違いますので各施設にお問い合わせください。

-SKYなどのペイTV

インターネット、携帯電話と同じ手順です。

-DB バーンカード

ドイツ鉄道のチケットが25%や50%割引になるバーンカードの解約期限は6週間前です。どうやらバーンカードは外国に引っ越しても途中解約できないようですので、ご帰国が決まったら期限に合わせて解約したほうがいいですね。

ちなみに解約を忘れ、遅延金が雪だるま式にかさみ、知らぬ間に大きな借金を抱えているなんてことのないように。噂ではEU圏内でのブラックリストに載るようですよ。

大切な手紙や解約が完了しましたという通知を確実に受け取れるよう、ドイツポストの転送サービスに申し込んでおくと便利です。転送先は日本の住所でも大丈夫です。

料金は半年で72ユーロ12か月で85ユーロ、24か月で96ユーロです。詳しくはこちらから

さあ、すべての契約を解約したら、あとは引っ越し当日を待つばかりです。

ドイツの家を引き払おう!敷金は?

不動産や大家の立ち合いのもと鍵を返す時は少し注意が必要です。私はドイツ国内を何度も引っ越ししましたが、この瞬間が一番緊張します。

この時点ではっきりといくら敷金が返ってくるのかはわかりませんが、もし、不動産や大家が「ここが壊れていますね」や「この壁汚れていませんか」などど言いだしたらドキっとします。リノベーションをやり直せということか、敷金から引きますよという意味だからです。

中には意地悪な大家、不動産もいます。あーでもない、こーでもないといちゃもんを付け、敷金を返さないように仕向けるのです。例えば入居時にすでに破損していた部分を修繕するよう言われたら、入居時には破損していなかったという証拠を提出するよう申し出ましょう。語学に不安があるようでしたら誰かに同行してもらったほうが安心です。それでももめごとが大きくなったら弁護士に頼むしかありませんが、あちらとしても弁護士が出てくると面倒なので妥協案を提案してくるかもしれません。

無事鍵の引き渡しを終えたら、やっと退去となります。

お疲れさまでした。

ドイツでは敷金はすぐに返却されないことが多いです。なぜなら共益費の追加請求がある場合があったり、退去の日には見つけられなかった修繕部分があるかもしれないからです。大家としては共益費の追加料金が発生したのに外国に引っ越してしまって請求できない、なんて事態を避けるため敷金の一部を一定期間保持することができます。期間はケースバイケースなのではっきりとは言えませんが平均的には3-6か月ですが、場合によっては1年ということもあります。忘れられないよう、不動産と時々コミュニケーションをとったほうがいいですね。

もし、1年以上たって忘れていた敷金を請求したい!となったら、3年までは敷金の返却を請求する権利がありますので、必ず3年以内にはアクションを起こしてください。

さて、ドイツから日本への本帰国が決まってから実際の退去までの手続きの流れを紹介しました。サポートが必要な場合はこちらからご相談くださいね。