ドイツでの休日の過ごし方と注意点 閉店法により店舗は営業していません!

日本人にはよく驚かれるのですが、ドイツでは日曜日や祝日といった休日にスーパーやデパートで買い物することができません。閉店法により、禁止されているためです。これはキリスト教の安息日の考えに基づいたものです。特に旅行でドイツを訪れる方は、せっかくお土産を買おうと思っていたのに、店が閉まっていた!なんてことになりかねませんので、注意が必要です。

ドイツ閉店法の例外 日曜日に買い物したいときはどこに行けばいい?

ドイツ閉店法の基本ルールとしては、月曜日から土曜日までしか店舗は営業が許可されていません。また、平日の営業時間も基本的に20時までですが、州によっても違ってきます。最近だとスーパーは22時まで営業しているところも増えてきました。日曜日と祝日は基本的にほとんどのお店が閉まっていますが、例外もあります。  

例外として営業できるのは、各都市の中央駅といった大きな駅の中やすぐ近く、空港、観光地にあるスーパーです。パン屋と花屋も例外として営業が許されていますが、午前中のみということが多いです。

また、ガソリンスタンドは休日も営業していて、飲み物やパン、スナック菓子などが買えます。Kiosk(キオスク)やSpätkauf(シュペートカウフ)と呼ばれる小さな売店も休日に営業しているところがありますが、日本のコンビニに比べると、売られている商品はかなり限定的です。ホテルやレストランも営業しています。

この閉店法は2006年より、それぞれの州が内容を決定できるようになっていて、一部の州では営業時間が大幅に緩和されました。例えば、ベルリンやハンブルクといった大都市では土曜の深夜まで営業する店舗も増えてきているようです。

とても不便に思える閉店法ですが、ドイツ人の中では閉店法を支持する意見が多いのが印象的です。労働者の権利を保護する意味で、休日に働かなければならない人を増やさないことや、安息日という伝統的な価値観を大切にするという観点からのようです。個人差は大きいと思いますが、「日曜日に買い物ができないのは少し不便だが、日曜日くらいは家族や友人とゆっくり過ごすべきだ」という意見が多いようです。

ドイツの休日に気を付ける点 騒音は厳禁です

閉店法により、ドイツの休日は一部の観光地を除いて、大変静かです。買い物ができないというのもそうですが、他にもしてはいけないことがいくつかあるので、注意が必要です。

- 掃除機・洗濯機・乾燥機の使用 特に古い建物では音が響きやすいため。  

- DIY作業 釘を打ったり、ドリルを使ったりする作業も音が大きいのでNGです。 

- 芝刈りをする 一軒家やアパートの日本式1階には庭がついていることがありますが、芝刈り機を使って芝を刈ることはできません。 

- 空き瓶やガラス容器をリサイクル用のコンテナに捨てる。ドイツでは空き瓶やガラス容器をリサイクルするためのコンテナが、各アパートのゴミ捨て場や道沿いに設置されています。瓶をコンテナの中に入れる時、かなり大きな音が出るためです。

- 大音量で音楽を流したり、楽器を演奏したりする。このような行為も騒音を出す行為とみなされてしまいます。 

以上のような行動は、基本的に休日は禁止されています。近隣住人からの苦情につながりかねませんので、注意してください。

【ドイツ式】 休日の過ごし方 とにかくのんびり過ごすのが一番!

ドイツの休日は買い物もできず、掃除機もかけられず、DIYもできず、部屋に友人を呼んでパーティーもできないとなると、一体何をして過ごせばいいのでしょうか。実際、日本から来たばかりの方は少し戸惑うかもしれません。

ドイツ人は休日に何をしているかというと、ゆっくり、のんびりしています。ドイツでは都市部でも大きい公園がいくつかあります。春になり気温が上がってくると、芝生に寝転がって本を読む人、友達と集まってビールを飲んだりする人、ピクニックを楽しむ家族などで大賑わいです。 

 

また、少し郊外に行くと大きな森が広がっています。半日かけてハイキングを楽しんだりする人も多いです。この5、6時間のハイキングをドイツ人はちょっとした散歩だと言うので驚きですね。 

ドイツは海に面している面積が小さいので、夏にちょっとそこまで海水浴へというわけには行きませんが、その代わりに湖があります。湖に入って泳ぐ人もいれば、木陰でのんびりするだけの人もいます。カヤックやボートに乗るのも楽しいかもしれません。春から夏は、このように自然の中で過ごす人が多いです。 

では、外で遊ぶのが寒い季節は、何をすればいいでしょうか。

クラシック音楽が好きな人は、寒い季節こそぜひコンサートに行ってみてください(夏はオーケストラの休暇中です)。日曜日の昼の気軽なランチコンサートは、有名なフィルハーモニーでもなんと無料という日があります。

美術館巡りやおしゃれなカフェ巡りも楽しそうですね。古着やアンティークを扱ったフリーマーケットで掘り出し物を探してみるというのも、ドイツならではの楽しみかもしれません。

ドイツの休日は閉店法のせいでつまらない日と思われがちですが、「静かにリラックスする日」として楽しむのがドイツ流! これを機会に新しい趣味を見つけてみたり、何もしないことを楽しんでみたりしてください。